カードの種類

クレジットカードは数多くの種類に分類することができる。クレジットカードを利用する場合には、種類はあまり関係ないが提携カードではサービスの提供先がクレジットカード会社ではないものがある。こうした場合サービスに関する問い合わせ先が違うこともあるので、自分がどんな種類のクレジットカードを利用しているのかは知っておいたほうがいいだろう。

 

1.プロパーカードと提携カード
プロパーカードはクレジットカード会社だけで発行しているカードで、提携カードはその名のとおり提携企業がサービスを提供している。今の主流はこの提携カードで、発行枚数が一番多い。特徴はクレジットカード会社のブランドに加えて提携企業のマークが印刷されている点だ。さらに国際ブランドも付与されている国際カードがほとんどなので、場合によっては三つのブランドがカード表面に印刷される。デザイン面では提携カードはややにぎやかになる。

 

サービス面では提携カードのほうが特定のサービスにメリットがある。ほとんどの場合、ポイント還元率は提携カードのほうが高い。しかし年会費無料の場合も多いのでサービスを全体的に比較するとプロパーカードのほうが充実していることが多い。最近ではプロパーカードでもポイントを優遇して条件付で年会費無料というサービスを提供しているので、サービス面でも特徴のあるプロパーカードも増えてきた。

 

2.カードのグレード
クレジットカードにはグレードが存在する。一般カードをはじめとしてゴールドカード、プラチナカード、プレミアムカードといった上位カードがあるのだ。グレードの違いは年会費、サービス、カード利用枠に現れている。その結果として上位カードほど審査基準も高くなる。

 

一般カードは年会費無料から高くてもマイレージカードの2100円程度だが、ゴールドカードは一般的に10500円の年会費がかかる。ただし最近では若年層向けに2000円〜5000円程度の年会費に抑えたカードもある。プラチナカードは3万円台から5万円台が標準で、さらに上位のブラックカードと呼ばれているクレジットカードでは10万円以上の年会費となっている。

 

年会費が高ければ提供されるサービスも当然質が高くなる。ゴールドカード以上では空港ラウンジが無料になり、付帯保険の補償金額も高額となっている。特にプラチナカード以上ではプライオリティ・パスが付帯されていて、世界中の空港ラウンジを無料で利用できる。グレードの高いカードほど海外旅行向けのサービスが充実しているので、海外旅行が多い人ほどグレードの高いカードを持つとメリットがある。

 

3.クレジットカードの系列
クレジットカードを発行している会社の系列によってクレジットカードを分類する場合もある。大きく分けると銀行系、信販系、流通系、交通系、その他に分類される。系列によって特徴があるクレジットカードは流通系のクレジットカードだ。流通系の親会社が存在している場合は特定店舗での割引やポイント優遇といったサービスを受けらことができる。交通系のクレジットカードにもsuicaやPASMOといった電子マネー機能がついているという特色もある。

 

銀行系や信販系では大きなサービスの差はないが、どちらの系列も歴史的に古いクレジットカード会社が多いので、国内ブランドとしての加盟店ネットワークが充実している。しかし今では国際ブランドのVISAやマスターカードの国内加盟店も充実しているので、国際ブランドが付与されていれば利用できる加盟店数ではどのクレジットカードも同じといえる。

カード

世の中にはクレジットカードだけではなくさまざまなカードが存在します。しかしカードのサイズはJISによって規格が決められているため同じで、繰り返し利用するため材質もプラスティックで統一されています。財布の中には10枚近いカードが入っているという人も少なくないでしょう。近い将来にはすべてのカードが一枚に統一されるようになるかもしれません。ICカードが普及すればICチップに多くの情報が保存できるため一枚のカードであらゆる機能を持つことも可能だからです。

 

現実的に携帯電話が多機能モバイルとして活躍していますが、それと同じことがカード業界にも考えられます。ここではクレジットカードをはじめとして、いろいろなカードについて解説をしています。カードを利用する参考にしてください。

 

■クレジットカード
クレジットカードはプラスティック製のカードで後払い方式により加盟店での買い物やお金の借入が繰り返しできるシステムです。クレジットカードの発祥はアメリカといわれ、世界で最初にクレジットカードの発行をしたのはダイナースクラブといわれています。日本でも最初のクレジットカード会社は日本ダイナースクラブになります。

 

クレジットカードのシステムはクレジットカード会社・加盟店・カード会員の三者で成り立っています。クレジットカード会社は審査をしてクレジットカード会員にカードを貸与し、加盟店での利用ができるようにします。また加盟店も審査を通過して初めてクレジットカードの取り扱いが可能となります。クレジットカード会員が加盟店で買い物をすると、加盟店はクレジットカード会社にカード利用が可能かどうかの承認を求めます。これをオーソリゼーションと呼んでいます。

 

オーソリゼーションで承認された利用についてはクレジットカード会社が加盟店に立替払いを行います。そのときに相殺される加盟店手数料がクレジットカード会社の収入となります。クレジットカード会員は利用代金に手数料を上乗せしてクレジットカード会社に後払いすることで、商品を持ち帰ることができます。1 回払や2回払いの場合、会員手数料はありません。

 

クレジットカードにはショッピング利用のほかにお金の借入ができるキャッシング機能や、ポイントプログラム、割引特典、海外アシスタンスサービス、付帯保険といったさまざまなサービスが提供されます。そのためほとんどのクレジットカードには年会費がかかりますが、一部のクレジットカードは年会費無料の場合もあります。

 

ほとんどのクレジットカードにはカード盗難保険が付帯されているため、盗難や紛失の場合でも重大な過失がない限り不正利用による被害が補償されます。そのためクレジットカードは現金を持ち歩くよりも安全といわれています。最近ではキャッシュカードでも盗難保険が付帯されるようになりましたが、それ以前ではクレジットカードの安全性はより高いものがありました。しかし、VISAデビットカードのようにキャッシュカードで買い物ができ保険も付帯されているカードが発行されるようになり、クレジットカード以外でも現金利用以上に便利なシステムも開発されています。

 

■プリペイドカード
プリペイドには先払いという意味があります。従ってプリペイドカードは最初にお金を支払って同額の価値があるサービスを利用できるカードのことを言います。プリペイド方式を採用しているものには電子マネーEdyがありますが、これはFelicaと呼ばれるICチップを利用したシステムです。そのため ICカードに応用すればプリペイドカードとなります。

 

そのほかにもプリペイド方式として日常利用されているものには商品券やギフトカードがあります。これらは金券として提携店で現金同様利用することができます。食事券や旅行券、図書券なども同様のシステムです。プリペイドカードとして有名なのは今は利用されることがなくなったテレフォンカードやすでに廃止されたハイウェイカードなどがあります。これらのプリペイドカードはクレジットカードのような規格ではなく、もっと薄く小さい紙に近い形状でした。使い捨てであったため、繰り返し利用するクレジットカードのような耐久性は必要なかったのです。

 

現在のプリペイドカードはクレジットカードと同じサイズのものが多く、ICチップを搭載して繰り返し利用できるようになっています。身近なプリペイドカードとしてはsuicaやPASMOなど交通機関の運賃や定期券に利用できるものがあります。以前にはなかったクレジットカードに搭載できる機能もあり、後払いとプリペイドが一枚のカードで利用できるのも大きな特長です。

 

■ポイントカード
ポイントカードは特定の店舗で提供しているポイントプログラムのポイントを貯めるためのカードです。現在ポイントカードは様々な業種で発行されています。家電量販店をはじめとして、あらゆる小売店舗でポイント制を導入していると言っても過言ではありません。そのため利用する側にはポイントカードが増えすぎるという弊害もあります。ICカードの普及や携帯電話機能の多様化によって将来は一本化できるようになるでしょう。NTT ドコモではすでにそういったサービスも開始されています。

 

流通系のクレジットカード会社は親会社のポイントカードを発行することから発展しているケースが多いようです。当初は親会社のポイントカードの発行だけだったのが、クレジットカード機能を持たせてポイントカードと一体化して発行するようになったのです。そのためクレジットカードのサービスとしてのポイントプログラムも親会社の店舗利用では還元率が高いなどのメリットを与えています。これによって親会社の売上に貢献しているのです。

 

■キャッシュカード
キャッシュカードは金融機関の口座から現金を引き出すためのカードですが、現金引き出し機能以外にも様々な機能がついているキャッシュカードもあります。ネットバンクなどではVISAと提携したデビットカード機能があるキャッシュカードを発行しています。VISA加盟店でショッピング利用すると口座からリアルタイムで引き落としされるシステムで、キャッシュバック機能もあります。一般の銀行のキャッシュカードもJ- Debitに加盟しているのでほとんどのキャッシュカードはデビットカードとして利用できますが、VISAデビットカードは全世界のVISAデビットカード加盟店で利用できるため海外での利用も可能です。

 

クレジットカード機能付のキャッシュカードも発行されています。キャッシュカード機能があるため家族カードの発行はできませんが、通常のクレジットカードとして利用できます。この場合キャッシングと預金引き出しの区別はカードの挿入方向によって使い分けることになります。

 

■ローンカード
クレジットカードのキャッシング機能だけを持つカードをカードローン、ローンカード、キャッシングカードなどと呼んでいます。銀行系のクレジットカードにはキャッシング機能とは別にカードローン機能が付帯されていることがあります。この場合、キャッシングは1回払のみで、リボ払いで利用する場合にはカードローン機能を利用します。ただしカードローンが発行されるわけではなくカードレスの機能となっています。

 

カードローンが発行される以前はお金の借入は消費者金融会社やクレジット会社の店頭で契約書を作成して借入する「証書貸付」がメインでした。この証書貸付は店頭に行くという手間や、2度目以降の借入では支払金額が大きくなるというデメリットがありました。このデメリットというのは貸付する側にとって多く貸付することができないというデメリットです。借入側では計画的に利用できるので支払面を考えると証書貸付にそれほどのデメリットはありません。

 

そのため消費者金融業者やクレジット会社では何度でも繰り返し利用でき、ATMなどでも簡単に借入できるカードローンを発行するようになりました。カードを作るときにも貸金業者の社員と顔を合わせることがないように自動契約機なども設置されるようになりました。自動契約機はクレジットカード会社でも設置するなど一時は多く設置されましたが、現在ではクレジットカード会社が設置している自動契約機はありません。自動契約機といっても事務所内で社員が個別に対応しているだけなので、経費がかかりすぎるのが撤去の理由です。

 

融資のカードローン化は貸金業者の利益をアップさせましたが、同時に多重債務者も増加し、最終的には国が介入する形で金利の引き下げや貸付制限が法律で規定されることになりました。カードローンは低金利のものを1枚持つ程度であればそれほど心配はありませんが、簡単に借入ができるからといって複数持つことは多重債務につながるので十分な注意が必要です。

 

■デビットカード
金融機関が発行するキャッシュカードで買い物ができるのがデビットカードです。日本ではJ-Debitが都市銀行や地方銀行と提携し、独自に加盟店を増やしてデビットカードとして利用できる環境を整えてきました。J-Debitはすでに持っているキャッシュカードをそのままデビットカードとして利用することができます。クレジットカードのように申込をすることも審査も不要です。しかし、クレジットカードに比べて加盟店が少ないことや、付加サービスがほとんどないことからあまり普及しているとはいえない状況です。

 

スルガ銀行がVISAと提携して日本で始めて発行したVISAデビットカードでは、J-Debitのデメリットを解消することができました。すでに存在する世界中のVISA加盟店で利用できるため加盟店の不足が解消されたのです。さらに0.2%のキャッシュバックや海外利用が可能なことから海外 ATMで現地通貨が引き出せるという新たなメリットも生まれています。

 

デビットカードは利用枠の設定がなく、預金残高の範囲内で利用することができます。そのためクレジットカードのように使いすぎる心配は少なくなります。また現金利用と比べても現金を持ち歩く必要がなく、万一盗難にあっても保険が適用されるため現金よりも安全ということができます。今後はデビットカードとクレジットカードの使い分けにより本格的なキャッシュレス時代となるかもしれません。